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ぎこちなく藤堂が振り向くと…。
「総司だーっ」
「うん。アサ、ちょっと待っててね。今悪い虫ケラ退治するから」
「?」
沖田が、いた。
てか、もしかしなくても虫ケラって俺!?
「っいだだだだだだ!」
動揺する藤堂の頭に、激痛が走る。
沖田が握り潰す勢いで手に力を込めたからだ。
「平助忘れてない?君、稽古の時間なんだけど。平助が来ないと僕が休めないんだよねー」
「………」
…やばい。すっかり忘れてた…。
「忘れてたって顔してるよ?」
「ででででででっ!総司ごめんっ!」
更に力が強まり、もがく藤堂。
「ごめんで済んだら浪士組は要らないでしょ」
抵抗も虚しく、藤堂は沖田に頭を掴まれたまま連行されていく。
「仲良しだなぁ…。…あっ、とんぼ!」
旭の関心は、物干し竿にとまるとんぼへと移っていった。
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