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パチッ
軽快な音とは反対に、土方の表情は険しい。
眉間の皺も普段の三割増しだ。
「そう来ましたか…」
山南の白く細長い指が、駒を進める。
副長執務室にて、副長二人は将棋を指していた。
旭はすぐ側でソレを見ている。
見てはいるが、将棋のやり方を知らない彼女にはちんぷんかんぷんだ。
「ふふ…やはり攻めは良いが守りは甘いね。…王手」
「あーっ!またか…。敵わねぇよ、山南さん」
土方はわしわしと頭を掻く。
どうやら土方の負けらしい。
「土方さんって弱いのー?」
ビシッ!
「いたっ」
土方の投げた駒が、旭のおでこにヒットした。
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