第二十八章

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――――――――― パチッ 軽快な音とは反対に、土方の表情は険しい。 眉間の皺も普段の三割増しだ。 「そう来ましたか…」 山南の白く細長い指が、駒を進める。 副長執務室にて、副長二人は将棋を指していた。 旭はすぐ側でソレを見ている。 見てはいるが、将棋のやり方を知らない彼女にはちんぷんかんぷんだ。 「ふふ…やはり攻めは良いが守りは甘いね。…王手」 「あーっ!またか…。敵わねぇよ、山南さん」 土方はわしわしと頭を掻く。 どうやら土方の負けらしい。 「土方さんって弱いのー?」 ビシッ! 「いたっ」 土方の投げた駒が、旭のおでこにヒットした。
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