第二十八章

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――――――――― 最近と言えば最近の出来事だ。 尊攘過激派が、油問屋八幡屋の主人を殺害するという事件があった。 『八幡屋主人は暴利を貪る悪徳商人。生糸商大和屋も同様である』 …と宣言して。 それに恐れ戦いた大和屋は、彼等に大金を差し出す事で和解したのだ。 芹沢の苛立ちは、ここから来ている。 芹沢は以前大和屋に金子の工面を断られていたからだ。 今日は昼前から酒を食らい、酔ったまま外へ繰り出していった。 酒が入った芹沢が暴れたら…正直手の施しようがない。 何か思い付いたような目をしていた事が、山崎は気になっている。
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