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がしっ!
沖田は反射的に旭を抱き止める。
だがしかし。
沖田も足は川の中。
旭を受け止めた衝撃で、足が滑りそうになった。
――共倒れ…!?
今着物濡れたら真っ直ぐ屯所に帰らなくちゃならなくなる。
そしたら帰りに甘味処寄れなくなる。
っそれだけは、絶対ダメだ!
一瞬の内にそんな事を考え、沖田はなんとか持ちこたえた。
「アサ、大丈夫だっ…た……」
彼女の身体を押して立たせようとした、ら…。
沖田の手に柔らかな感触。
「ーッ!?ごめ…っ!」
「え?私の方こそごめんね。支えてくれてありがと」
バッと手を離した沖田。
焦る彼に対し、旭は至って普通。
なんだか気が抜けたが、沖田はホッとする。
旭の頬が淡く染まったのには、気が付かなかった。
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