第二十八章

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がしっ! 沖田は反射的に旭を抱き止める。 だがしかし。 沖田も足は川の中。 旭を受け止めた衝撃で、足が滑りそうになった。 ――共倒れ…!? 今着物濡れたら真っ直ぐ屯所に帰らなくちゃならなくなる。 そしたら帰りに甘味処寄れなくなる。 っそれだけは、絶対ダメだ! 一瞬の内にそんな事を考え、沖田はなんとか持ちこたえた。 「アサ、大丈夫だっ…た……」 彼女の身体を押して立たせようとした、ら…。 沖田の手に柔らかな感触。 「ーッ!?ごめ…っ!」 「え?私の方こそごめんね。支えてくれてありがと」 バッと手を離した沖田。 焦る彼に対し、旭は至って普通。 なんだか気が抜けたが、沖田はホッとする。 旭の頬が淡く染まったのには、気が付かなかった。
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