第二十八章

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――――――――― 赤々と燃える大和屋。 凄まじい熱気に、目眩がする。 沖田と旭は暫し呆然と立ち尽くす事しかできなかった。 「また壬生狼なん?」 「ほんま嫌やわぁ…大和屋はんも災難やねぇ」 「やめてください!火を消してください!!」 ハッとした沖田は、弾かれたように動き出した。 「アサ!僕も火消し手伝ってくるからっ!」 既に隊士が消火を始めている大和屋へ駆けていく沖田。 隣家の屋根に登った芹沢の高笑いは、何故か悲しげに響く。 旭は唇をきつく噛み締めた。 「…大和屋、焼き討ち…」
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