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近藤一人が局長となり、以前よりは安定性を持った新撰組。
これで紛れ込んだ間者を一掃すれば、より理想的な組織となる。
そういった訳で、山崎を含む監察方が隊士達を洗っていたのだ。
「御倉と荒木田はクロか」
紙切れを弄りながら、土方は頭を働かせる。
すぐに始末するのか。
あえて泳がせるのか。
「どないするん?」
「まだだ。見張りはつけとけ。……他に怪しいのがいんだろ」
白でも黒でもない、灰色の奴等。
楠小十郎と、
………昴。
疑わしいが、尻尾だけは出さない二人。
昴が減給のみで済んだのはこれが理由。
間者をみすみす逃がすほど、新撰組は甘くない。
「粛清は彼奴等が白黒ハッキリしてからだな」
「承知。…にしても、あの女が間者なんて間抜け過ぎんか?」
昴が直情型なのは、今回の旭の一件で火を見るよりも明らか。
派手な行動、自滅行為。
間者には不向きにも程がある。
「分かんねぇぞ。現に証拠だけは掴めてないんだからな」
冷笑を浮かべる土方は、恐ろしいが誰より頼もしい…山崎は改めてそう感じた。
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