第二章

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――――――――― あぁ……人生17年……。 もっとエンジョイしたかったよ……。 あの本、やっと手が届いたのに……。 私もちょっとは身長伸びてるのかなぁ? 高校2年。 身体測定で測った身長、なぜか3ミリ縮んでた。 座高は5ミリ伸びてたけどね。 測ってくれた人に鼻で笑われたっけ……。 色んな思い出が走馬灯のように頭を巡る。 ……あれ……そう言えば、いつまで経っても痛みが来ない……。 ――――――――― 「ん……」 ゆっくりと瞳を開くと、茶色い木の天井が目に映った。 薄い布団に、私は寝かされている。 「……起きたか」 不意に聴こえた低い声。 そっちに目を向けると、着物を着た男が腕を組んで壁に寄りかかっていた。 ……何で着物? 部屋を見渡せば、完全な和室。 「ここ……どこ?」 自然と零れた呟きには、微量の不安が滲んでいた。
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