第二章

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……文久三年……。 ……壬生浪士組屯所……。 やっ…… 「たあぁぁぁ!」 旭は勢いよく飛び起きた。 「ね、本当に文久三年なの!?」 「お、おう……」 男を見上げ、大きな瞳をキラキラと輝かせて問いかける。 尻尾があれば、ブンブン振っていそうだ。 旭の勢いに、男は若干たじろぐ。 「……私、私ね、150年くらい先の時代から落ちてきたの!」 勢いに任せて言ってしまった真実は、男の眉間の皺を更に深いものにした。 「……何?ふざけてんのかテメェ。つくならもっとマシな嘘にしろよ」 「!!嘘じゃないよ!」 脚立から落ちて、目覚めたらここにいた。 これは紛れもない事実。 「……フン……馬鹿げた事ほざきやがって。当然、証拠はあるんだろうな?」 ないだろう?と言いたげに男は旭を見下ろす……もとい、見下す。
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