第八章

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「……………あ、そっか」 ポカンとした表情の後、なるほど……と呟く旭。 「まさか……自分が消える、とまでは考えてなかったのか……?熱弁してたのはお前だぞ!?」 「いやぁ……あはは……!」 図星をつかれた旭は、ひきつった笑いを浮かべる。 客観的に考えすぎて、自分のことはすっ飛ばしていたのだ。 こいつ……やっぱりただの馬鹿だな。 そう思う一方で、旭がいつもの彼女に戻った事に安堵する。 「お前は自分が知ってる歴史を、買いかぶりすぎだ。 知ってりゃ万事上手くいく訳じゃねんだよ。 ……それにな、先の事を知っていようがいまいが関係ない。 壬生浪士組は、俺が絶対上まで引き上げてみせる」 「!」 土方の力強い思いが、ひしひしと伝わる。 「ありがと、土方さん。 あー、なんか眠いや……。おやすみぃ……」 「は?おま、せめて着替えてから……寝てやがる……」 自分の疑問に答えを貰った旭。 気が抜けた彼女は酒の力も手伝い、睡魔に身を任せた。 そんな旭を見つめる土方は、彼女の柔らかな頬に優しく触れる。 手から感じる旭の温もり。 胸が痛い程に高鳴っていた。 認めたくない……だが、もう誤魔化しきれない。 ――どうやら俺は、こいつを女として見ているらしい……
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