第九章

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佐々木が言うことには……。 出逢いは、巡察中だった。 京ではよく見る光景だが、浪士に絡まれていた彼女を佐々木が助けた。 『ありがとうございます……』 見上げる瞳に運命的な何かを感じたらしい。 その時はそれでサヨナラ。 だが、佐々木は彼女を忘れられなかった。 数日後。 佐々木が行きつけの甘味処に行くと、その日は混雑していた。 相席する事になり、仕方なく座った向かい側に……居たのだ。 ……彼女が。 ――――――――― 「運命だよな?これ。運命だよなっ?」 鼻息荒く話す佐々木。 「あぐりちゃん、俺と同じで餡蜜大好きなんだってよー!」 佐々木の運命のお相手の名前は、あぐり。 佐々木のマシンガントークを、旭は興味なさげに聞いていた。
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