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「……っ一ノ瀬……」
「?」
真っ直ぐに見つめてくる旭。
土方の彼女を掴む手に、力がこもった。
「土方さーん?」
目をぱちくりさせる旭は、小動物を思わせる。
「~っ」
――何だ……?胸が苦しい……?
きゅうっと胸を締め付けられるような感覚。
……でも、不思議と不快ではない。
「土方さんっ?無視ー?」
旭はムッと唇を尖らせて、もう片方の手を土方の眼前で振る。
だが、土方は旭の唇に釘付けになっていた。
紅くて柔らかそうで……甘そうな唇。
――口付け、してぇ……
目の前の手も捕まえて、土方は旭に顔を寄せていく。
「本当、どしたの?」
「……黙って、目ぇ閉じてろ」
旭は素直に瞳を閉じた……。
「土方さん!居ますか!?」
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