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「これが、“春の草 五色までは 覚えけり”やで?」
「へぇー!こんな風に書くんだねぇ」
「そや。旭は物覚えがえぇなぁ。
…豊玉はんも、残り二つくらい覚えられるやろうに」
「てめぇら…何してんだ…?」
部屋に戻った土方が目にしたのは、仲良く何かを読む二人の姿。
「旭がな、コレの中身は知っとるんやけど、文字が読めへんのやって。
せやから、手習いに利用させてもろたわ」
コレ、とは豊玉発句集。
豊玉発句集、とは…土方の秘密。
「~~ふざっけんなァァ!!」
ワォ~ン…
土方の雄叫びに、どこかの犬が遠吠えで応えていた。
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