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「一ノ瀬…と言うたな。…もっと此方へ来い」
「?はいっ」
芹沢の威圧感は変わらないが、旭は恐怖を感じなかった。
とことこと旭が近寄ると……。
ぐいっ ぽすっ…
「ほぁっ?」
腕を引かれた旭は、芹沢の胡座の上に収まった。
「?…?芹沢さん?」
「ふむ…儂は童は嫌いではない」
――…童っ!?
旭は多少衝撃を受ける。
しかし、芹沢の声音があまりに優しかったので、そのまま大人しく座っていた。
「一ノ瀬、時間がある時で良い。また此処に来い。
…あまり長居させると、土方が煩そうだしのう」
「はぁいっ」
芹沢は愉快そうに笑う。
…芹沢さん、土方さんからかって遊んでる…?
「ふっ…少し遊んでやるか…」
「っ?」
芹沢が旭の首筋に顔を埋めた少し後、ちくっとした痛みが訪れた。
「何したんですか?」
「案ずるな。…土方の反応が楽しみだ」
喉を鳴らして笑う芹沢。
旭は、土方が完全に遊ばれていると確信した。
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