第十章

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「一ノ瀬…と言うたな。…もっと此方へ来い」 「?はいっ」 芹沢の威圧感は変わらないが、旭は恐怖を感じなかった。 とことこと旭が近寄ると……。 ぐいっ ぽすっ… 「ほぁっ?」 腕を引かれた旭は、芹沢の胡座の上に収まった。 「?…?芹沢さん?」 「ふむ…儂は童は嫌いではない」 ――…童っ!? 旭は多少衝撃を受ける。 しかし、芹沢の声音があまりに優しかったので、そのまま大人しく座っていた。 「一ノ瀬、時間がある時で良い。また此処に来い。 …あまり長居させると、土方が煩そうだしのう」 「はぁいっ」 芹沢は愉快そうに笑う。 …芹沢さん、土方さんからかって遊んでる…? 「ふっ…少し遊んでやるか…」 「っ?」 芹沢が旭の首筋に顔を埋めた少し後、ちくっとした痛みが訪れた。 「何したんですか?」 「案ずるな。…土方の反応が楽しみだ」 喉を鳴らして笑う芹沢。 旭は、土方が完全に遊ばれていると確信した。
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