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「………まだ、って何?」
呆気にとられていた藤堂が、やっとのことで口を動かす。
旭は瞳をしばたかせた。
「そのままの、意味だが?」
フッと不敵に笑う斎藤。
歓迎会の時に感じた思い。
旭の首筋の紅い華に、抱いた感情は嫉妬だった。
「俺は、土方副長にも譲るつもりはないからな」
「何をー?」
旭のすっとぼけた声に、藤堂はズルッとずっこけた。
格好良くきめたつもりの斎藤は、羞恥に震える。
お前を、だよ!
二人が同じことを思ったのは、言うまでもない。
――何だろ?なんか胸がモヤモヤするんだよな…
藤堂は、荷物を持ち直して首を振る。
「早く帰ろうぜ」
三人は、止まっていた脚を再び進め始めた。
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