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「兄さん待ってくれよ」
「遅いぞ」
ある夏の日富士山に来ている一組の家族がいた
「まだなの?」
弟が父親に聞いた
「まだまだだな」
父親が上を見上げ答えた
「ええ―」
駄々をこねて座り込む弟……
「座るなよ もう少しで休憩所だから頑張れよ」
兄はそう言った
「わかった」
1時間後…………
「はぁ はぁ……やっと着いた」
山頂に着く前に宿にとまって日の出を見ることにした…
―――――
朝になった 夏とはいえ山頂付近はかなり寒い
「さあ行こうか」
「どんだけきれいなんだろ」
弟はわくわくしていた
「見ればわかるさ」
と普通の会話をして登りはじめる
………………
「到着!」
もう日がのぼりはじめていた
「きれい~」
と母親が
「すげ―」
と弟が言った
兄と父親は黙って見ていた
「ちょっと?飛鳥(あすか)何してるの」
名前は朝比奈飛鳥 ごく普通の高校生
…………だった
「いや何も ちょっと違うとこ行ってくる」
「早く戻ってきてね」
「あぁわかった そうだ……蓮!」
「何?」
「一緒に行こうぜ」
「いいよ」
蓮(れん)……飛鳥の弟である 年は2歳離れている
少し人混みを逃れて太陽と反対側を向いた
「影が伸びてる」
「太陽がまだ昇ったばかりだからだろ」
飛鳥は高校で普通の成績で普通の点数を取っていた
しかし運動だけはとてもよくできた
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