一人 で 二人。

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 コワイ。 また、おかあさんがおおきな声をだしてる。  コワイヨ。おとうさんも、べつの人みたい。 私は2階にいることが怖くて、下に急いでおりた。 ますます声が大きくなって寒くもないのに鳥肌がたった。 怖いけど、一人で2階にいるのはいやだ。 けれど下に降りたからって、子供がいると気づいたところで、喧嘩をやめる親じゃなかった。 なんのためにここへ来たのかわからず、ただ壁に隠れて膝をかかえ、こらえる必要もない涙をこらえた。 ふと隣を見ると、いつ降りてきたのか、もうじき3歳になる弟が怯えた様なよくわからない様な顔をしていた。 私は自分と大して変わらない弟を抱きしめて顔をぐしゃぐしゃにした。    私はもうすぐ6歳を迎える。父と母の喧嘩は何回目かわからなかった。 初めての喧嘩も覚えてはいないからある意味慣れていたが、何とも言いようのない胸の痛さは激しくなるばかりだった。 幼い私の中にあったのは、コワイ。という感情であふれていた。
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