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ヴァンフォーレ国首都ヴィッセルの東側クローヌの川のほとりを光輝はキャルにもらった地図を持って歩いていた。
「…何でお前までついて来るんだ?」
「光輝さん一人じゃ心配なので」
光輝の隣をフローラがニコニコしながら歩いている。
フィリは留守番なのだろう。
姿が見えない。
光輝が手をブラブラさせているとフローラの手に当たる。
「お、悪い悪い」
と言いながらフローラを見るとフローラは赤い顔をしながら手をモジモジさせている。
「フローラ」
「は…ハイ!」
急に名前を呼ばれて驚いたのか背中がビクッと伸びる。
「ここで【お願い】使うか?」
フローラは光輝と手を繋いで歩きたい…そんな思いを見透かされフローラは恥ずかしさでいっぱいになりながらも答える。
「だ…大丈夫です!」
「そうか…じゃあ…」
フローラの言葉に光輝は少しだけ笑いフローラの手を握る。
「これはお願いは適用されないから安心しろ」
光輝のその言葉が嬉しかったのはフローラは何も言わないが光輝の腕にしがみつく。
「フローラ…胸があたる…」
「……今は構いません」
フローラは光輝の腕に顔を寄せ目を閉じている。
そして腕に当たる胸の感触が名残惜しいが学校に着いてしまったので仕方ない。
光輝はフローラの頭を優しく撫でると「夕方には帰るからよ」と告げ【聖・ナグルニカ魔術学園】に足を踏み入れた。
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