第三章 魔王爆誕

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アリエルは校長のものと思われる人物の言葉に従い、この場を去っていく。 小声で光輝に「くれぐれも失礼のないように」と言葉を残して。 そしてアリエルが去り、光輝が一人になる。すると中から光輝は名を呼ばれる。 「神楽…光輝さんですね?どうぞお入り下さい」 そんな優しく澄み渡るような声に誘われ光輝は中に入る。 光輝は校長室に入るなり言葉を失う。 そんな光輝に校長と思われる女性はクスリと笑いながら声をかける。 「ふふ…そんなに誰かに似ていますか?」 光輝はその言葉に焦りの色を隠せないでいる。 「あんた…まさか…」 そんな光輝に女性は優しく微笑みかける。 肩までで揃えられた綺麗な青い髪に青い瞳。 見るものを魅了するような綺麗な顔立ちはその性格を物語っているのかとても和やかで人を安心させるようなオーラを放っている。 なにより細い体つきなのに出るとこは出ている。いや、でかい。 そんな彼女が言葉を紡ぐ。 「自己紹介が遅れましたね。私は【シャルル・キルシュタイン】この学園の長を努めさせて頂いております。シャルルと呼び捨てで結構ですよ」 光輝は名を聞いたからか、なにやらバツの悪そうな顔をしている。 しかしシャルルは言葉を続ける。 「もうわかっているとは思いますが、私は貴方の部下であるフローラの姉です」 そう告げるとシャルルは光輝に向かって頭を下げる。 「なっ…急に何を?」 光輝は慌てたようにシャルルに頭を上げさせようとする。 「いつも妹がお世話になっております。私達の目から見ても大変世話の焼ける子とは思いますが、どうかこれからも一緒にいてあげてください」
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