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シャルルは頭をあげ、「え…いや…こちらこそお世話になって…マス」と、しどろもどろになりながら答える光輝を見て微笑んでいる。
「あの子からはちょくちょく手紙を貰っているんですが、あの子が王族特務の副隊長に就任してから手紙の内容は貴方の事ばかり…本当に仲がいいんですね」
シャルルは何を考えているのか頬に手を当てて顔を赤らめてポーッとしている。
「な…別に…普通だ」
光輝は珍しく顔を赤くしている。
「仲が良くなかったら堂々と街の仲を恋人同士みたいに腕組んで歩きませんよね?」
シャルルは意地悪な笑みを浮かべながら光輝を攻める。
「……見てたのか?」
「はい。これで」
顔を赤くしている光輝にシャルルは一枚の鏡を見せる。
そこにはこの学園の近くにある川沿いのベンチに座っているフローラの姿が映っていた。
「これは…?」
「これは【透視鏡】といいます。この鏡は特定の人物を思い浮かべる事でその人物を映し出してくれます」
「そりゃあ便利な鏡だなおい…」
光輝は苦笑いを浮かべながら鏡に映るフローラを見つめる。
鏡の中のフローラは何を考えているのだろうか、嬉しそうな表情をしながら左手に持ったソフトクリームを舐めている。
「ったく…何やってんだアイツは…」
「可愛いじゃないですか。きっと光輝さんの帰りを待ってるんですよ」
シャルルは鏡の中のフローラを見ながら嬉しそうにしている。
そしてシャルルは思い出したかのように光輝に話し掛ける。
「では…本題に戻ります」
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