第三章 魔王爆誕

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校舎半壊事件から二時間後、光輝はフローラと合流し帰路についていた。 「光輝さん。学校はどうでした?」 フローラは上機嫌で光輝の腕に捕まり歩いている。 「そうだな…まぁ…今日は楽しかったぞ」 校舎を壊してストレスを発散出来たのだから当たり前である。 「それはよかったですね」 フローラは笑顔だ。 光輝はそんなフローラを見てシャルルとの会話を思い出す。 「俺がいる間……か」 「ん?どうしました?」 フローラは光輝の顔を覗きこんでくる。 ……近い。 「何でもねえよ」 光輝はそう言いフローラの頭を撫でる。 (護る…か) 光輝は一言「よしっ!」と一人で頷く。 「光輝さん?え…ちょっ…!」 光輝はフローラを抱き上げると笑顔になる。 フローラはジタバタと暴れている。 右手が柔らかく豊満な何かを掴んでいるのは内緒だ。 「ほら…暴れると見えるぞ」 フローラは顔を赤くして借りてきた猫のように大人しくなる。 フローラはスカートだった。 「こうやって道歩くの…初めて会った時以来だな」 光輝は笑顔のままそう呟きフィリの待つ部屋(フローラの部屋)に帰って行く。 二人はクロイス城に帰ってきた。 そして部屋の前に立った時、中から叫び声が聞こえた。 「う"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ーっ!」 光輝とフローラは顔を見合わせる。 「光輝さん…」 「ああ…この声…」 ……………。 「「フィリ(さん)!!」」
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