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【人間はどこへ向かっていくのか】。
そんな倫理的かつ歴史的かつ将来的…(まあどうでもいいや)な質問に正解は無い。
しかし、人間はきっと
真面目に生きるべきなのである。
これは俺の見解。
それとなく勉強が出来て、真面目に就職を考えて、あわよくば公務員になる…
なんて現実的なんだ。
これこそが至高。俺の理想。
だから僕は今日も真面目に机に向かう。
教師の声に耳を傾けて、 傾けて…?
「」
微かな声が耳に届く。しかし、耳を通過した時点で既に脳が音として認知してしまうくらい、虚弱な囁き故、うまく聞き取れない。
目を瞑り、音を感じ…いかんいかん。これでは幻聴に異世界への淡い期待を抱く中二男子と等しくなってしまう。
ここは記号と数字の羅列に全神経を注ぎ込む他ない。あ、黒板消された。
仕方ない、今日の授業はお開きにしてもらい気になるあの子と「おでえと」でも…なんてのは冗談として、なんだこの後方より送られる熱い眼差しは。
「あのさ」
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