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「なんだ」
手のなるほうへ、なんて目隠しをした遊びを思い出したのはさておき、俺は声のする方へ身体を傾けると、そいつはどうも憎たらしそうな顔で俺を睨んでいる。
「後で話しがある」
こいつの釣り目…いや、猫目には、何やら妖艶な雰囲気が漂っていて、俺は幾度となくその果てしない瞳の銀河に吸い込まれそうになる。いかん、宇宙の藻屑という望んでもいない将来の夢を語らされる所だった。
「お昼、一緒に食べよ」
思わぬ先制パンチだった。
ど真ん中ストレート、とまではいかないにしろ、いやいや結構な直球だよな?
話したことのない女子に突然お昼を誘われる。こんなのって…アリすか?
「構わん」
っつぁー。しかし会話が持つはずがない。俺の未来予想図には「お嫁さん」なんて一言も書いてないのだ。過去の経歴にも女子なんて生き物はヒットしない…俺の恋愛指数は平均値を下回っている…女子との無難な会話…0件ヒット。
「授業終わったら待っててね」
そんなこと言われちゃったらぼくちん、授業に集中できないよお。
…正直、照れます。
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