EPISOdE2.きっかけ。

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空がお腹いっぱいになったところで、今度は食べ物じゃなくてゲーム系の屋台で遊ぶことにした。 くじ引きで三人の運試しをすることになった。 …すべて空の独断だけど。 「くじ引き王に、俺はなる!」 わけわかんないことを空が叫んで、一斉にくじを開く。 空のくじには`残念!´と書かれていて、某お菓子会社の舌を出した女の子の似顔絵が描かれていた。 項垂れる空をよそ目に、蓼谷くんのくじを見る。 そこには`三等おめでとう!´と書かれ、星がちりばめられていた。 「真一当たったのかよー。羨ましいぜこのやろっ。」 そう言って空は蓼谷くんの頭をぐしゃぐしゃにする。 「いや、でも三等だし。」 ぐしゃぐしゃにされながら苦笑いの蓼谷くん。 二人のやりとりを笑いながら、あたしは自分のくじに目をやる。 あたしのくじには、 `一等だよ!君こそがくじ引き王!´ と書かれ、王冠のマークとダイヤ形のキラキラがちりばめてあった。 「凄いねあきちゃん。おめでとう。」 信じられなくてぼーっとしていると、蓼谷くんの声ではっとする。 そして、あたしと、蓼谷くんは景品を選ぶ。 空は残念賞の飴。 一等賞の景品はゲームとアクセサリーで、豪華。 そんな中、あたしはアクセサリーに決めたはいいけどその中の二つで迷ってる。 星のネックレスと、六望星のネックレス。 星のネックレスはトップの星形のプレートに小さい石が北斗七星の並びで埋め込まれてるタイプ。 六望星のネックレスはシルバーで六望星が立体になってて、中にダイヤ形の石が入ってるタイプ。 どっちも夜店の提灯でキラキラ光ってて凄く可愛い。 空が後ろでとごねてるけど選べない。 どうしよう、って二つを手にとって悩んでいると、後ろから手がのびてくる。 それは蓼谷くんの手で、 「こっちの方が、あきちゃんに似合うと思うよ。」 そう言、星のネックレスを指差した。 するとあたしは自然に、 「じゃあ、こっちのネックレスで。」 屋台のおじさんにそう言ってた。 早速着けようと、後ろでチェーンを繋ごうとするんだけどなかなか上手くいかない。 「貸して。やってあげる。」 蓼谷くんがチェーンを手に取り、カチッと音をたててネックレスが繋がる。 「あ、ありがと…。」 そう言うと蓼谷くんは返事の代わりに、ニコッと笑いかけてくれた。 ネックレスを見ると、北斗七星がキラキラ光る。 無性にそのネックレスを握りしめていた。
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