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空がお腹いっぱいになったところで、今度は食べ物じゃなくてゲーム系の屋台で遊ぶことにした。
くじ引きで三人の運試しをすることになった。
…すべて空の独断だけど。
「くじ引き王に、俺はなる!」
わけわかんないことを空が叫んで、一斉にくじを開く。
空のくじには`残念!´と書かれていて、某お菓子会社の舌を出した女の子の似顔絵が描かれていた。
項垂れる空をよそ目に、蓼谷くんのくじを見る。
そこには`三等おめでとう!´と書かれ、星がちりばめられていた。
「真一当たったのかよー。羨ましいぜこのやろっ。」
そう言って空は蓼谷くんの頭をぐしゃぐしゃにする。
「いや、でも三等だし。」
ぐしゃぐしゃにされながら苦笑いの蓼谷くん。
二人のやりとりを笑いながら、あたしは自分のくじに目をやる。
あたしのくじには、
`一等だよ!君こそがくじ引き王!´
と書かれ、王冠のマークとダイヤ形のキラキラがちりばめてあった。
「凄いねあきちゃん。おめでとう。」
信じられなくてぼーっとしていると、蓼谷くんの声ではっとする。
そして、あたしと、蓼谷くんは景品を選ぶ。
空は残念賞の飴。
一等賞の景品はゲームとアクセサリーで、豪華。
そんな中、あたしはアクセサリーに決めたはいいけどその中の二つで迷ってる。
星のネックレスと、六望星のネックレス。
星のネックレスはトップの星形のプレートに小さい石が北斗七星の並びで埋め込まれてるタイプ。
六望星のネックレスはシルバーで六望星が立体になってて、中にダイヤ形の石が入ってるタイプ。
どっちも夜店の提灯でキラキラ光ってて凄く可愛い。
空が後ろでとごねてるけど選べない。
どうしよう、って二つを手にとって悩んでいると、後ろから手がのびてくる。
それは蓼谷くんの手で、
「こっちの方が、あきちゃんに似合うと思うよ。」
そう言、星のネックレスを指差した。
するとあたしは自然に、
「じゃあ、こっちのネックレスで。」
屋台のおじさんにそう言ってた。
早速着けようと、後ろでチェーンを繋ごうとするんだけどなかなか上手くいかない。
「貸して。やってあげる。」
蓼谷くんがチェーンを手に取り、カチッと音をたててネックレスが繋がる。
「あ、ありがと…。」
そう言うと蓼谷くんは返事の代わりに、ニコッと笑いかけてくれた。
ネックレスを見ると、北斗七星がキラキラ光る。
無性にそのネックレスを握りしめていた。
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