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お祭り当日、あたしは神社の入口で空を待つ。
浴衣とかじゃなくて、普通の格好。
「あいつまた遅刻する気ー?」
携帯で時計を確認しながら、空が来る方の道を見る。
すると見知った影と、もう一つの影が見える。
近付いてきてそれが誰か判明して、あたしはびっくりする。
「蓼谷くん?!久し振り!どして?」
久々に見た姿に、少しテンションを上げる。
「久し振り。空が祭り行くって言うし、俺も行きたかったからついでに。」
男1人で来るのは確かに恥ずかしいだろうな、なんて思いながら祭りに向かう。
「あっかき氷の店発見!!ちょい行ってくる!」
早速目標を達成すべく、かき氷の出店を見つけると走って店に向かう空。
残されたあたしと蓼谷くんは、たわいもない話して笑って空を待つ。
「そういえばさ、何て呼んだらいいかな?」
蓼谷くんにそう聞かれ、あたしはちょっとびっくりした。そんな面と向かって言われるのは初めてだったから。
「空は`あき'って呼ぶし、基本`あき'か`あきちゃん'かなあ~。」
特にあだ名があるわけでもないから、あたしは普通の呼び方を教える。
「そっか。じゃあ、あきちゃんって呼んでいい?」
断る理由の無いあたしは「もちろんいいよ。」って返して、戻ってきた空の方を向く。
「取りあえず苺にメロン、ブルーハワイ買ってみた!」
取りあえず、ってセリフにおかしさを感じるけど、あえてスルーするあたし達。
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