訪問客

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(カツン、カツン) 静かな店内に足音だけが響く 客は40代半程、スーツ姿のサラリーマン風な男だ。 男は家具や雑貨を物色するわけではなく、他の何かを求めるように店内を彷徨いている。 客かぁ…。昼間からスーツ姿で、営業?いや、こんな所に来るわけないか。仕方ない話しかけてみるか。 『何かお探しでしょうか?』 彼が店員らしい振る舞いを見せると 男の肩が"ビクッ!"と跳ね、そっとこちらを振り向きうつむいてしまう。 『あの、…ここのお店の方ですよね?』 男はうつむきながら言う。 『はい、そうですよ。一応ここのオーナーです』 まぁ、自分一人しかいないが。そんな事を思いながら、笑顔で答える。
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