契約

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彼は男を店の奥にある商談部屋らしき所へ連れていく。 『では、こちらにお座り下さい』 男はソファーに腰かけると同時に問いかけてくる。 『あの~、一体どういうことですか?』 『どういうこと、とは?』 『その、…望みを叶えてくれるんですか?』 『はい』 『“はい”って、……もしかして、からかっているんですか!?』 『いいえ』 『本当は、この黒い名刺や電話のこと嘘だと思っているんだろう!変な奴だと思って面白がっているんだ!』 男は興奮し声を張り上げる。 『少し、落ち着きましょうか。あなたは、なぜこの店に来たのですか?』 『それは!……ここに来れば望みが叶うと』 『そうです。あなたは望みを叶える為にここへ来た。 私はそれを承諾した。 ただそれだけの事ですよ』 男は呆気にとられているが、だいぶ落ち着いたようだ。
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