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今は3時。
お昼の3時である。
彼女はふと腕時計を見た。
彼女は4年ぶりに会う友達とカフェで待ち合わせをしていた。
彼女は先にカフェの中にいた。
店の中は壁全体に木張りされ、お洒落なジャズが流れていた。
土曜にも関わらずカフェはガラガラ、話し声は店内に響き渡りそうなほどだ。
彼女の友達が3分ほど遅れて現れた。
「超久しぶり~。杏~。」
と右手を挙げ、目に沢山皺をよせながら話しかけてきた。
それに答えるように彼女も一生懸命笑顔で答えた。「久しぶり。ニコに会うの4年ぶりだもんね。」
彼女の名前は杏。彼女の友達の名前はニコである。
ニコは彼女に「変わらないね。杏は。なんかこう外見変わってるかなあと思ったけど、殆ど変わらないし、さらに落ち着いた感じ。」と言ってきた。
ニコと杏は高校時代から会ってなかったが、大学4年にしてやっと会った。
ニコは「何食べる?」とメニューを広げ始めた。
そしてすぐに「私決まった。」と言ってメニューを閉じた。
30種類近くあるメニューの中からそんな早くに決まるのかと杏は驚いたと同時に、相変わらず決めるのが早いと思い少しにやけてしまった。
「ニコは早いよね。なんでも決めるのが。昔っからそうだもんね。」
「だって、いちいち全部みて悩んでるの嫌なんだもん。悩むと切りないじゃん。というか悩む事嫌いな性格なんでね。」とニコはいたずらっぽく笑った。
「そんな性格羨ましいよ。あ~、ニコこそ全く変わってないなあ。
あ~、また悩む。ショートケーキセットにするか、いちごパフェ単品とコーヒーにするかどうしよう。まあ、いいや。この前パフェ食べたし、ショートケーキセットの抹茶ラテで。」
「決まった?」とニコに聞かれ、
「ごめん。やっと決まった。」と言った。
そして、注文したものが来るまで杏とニコは高校の話を思い出し話していた。
「杏は高校で初めて見たときはなんかこう一歩おいた感じだったよね。今ではこんな仲だけどさ。」
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