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―――高校3年――――
高校3年の時、ニコと同じクラスになった。
しかし、時間を合わせて一緒に登校したり、お昼を一緒に食べたり、移動教室時に一緒に行くこともなかった。一度も。
杏は3年間高校1年の時からの友達と一緒にいたし、ニコはダンス仲間と一緒にいた。
杏とニコはお互い話したい時に話し、無理して常に一緒にいることはなかった。
それは直接話さなくても暗黙の了解というか、わかっていた。
自分達は 必要以上の依存は望まない。
ニコは私によく洋楽のCDを貸してくれた。
。
ニコはダンスで使う曲をきっかけに色々な洋楽を聴くようになったみたいだ。
これがお勧めなんだとか、今度この人のライブがあるとか色々話しをしたが、それは授業の合間の5分休みだったり、放課後だったり、まちまちだった。
杏も洋楽をよく聴くようになり生まれて初めて洋楽の歌手と出会った。
特にAVRILという歌手の曲を気に入り、とりつかれたように毎日聴いていた。AVRILは杏が今感じているものを曲にし、そのままストレートに歌詞にしたように感じた。
杏はその歌手の全てに共感していた。
杏はその歌を聴いていることで今の自分とは違うもう一人の自分を造り出していた。
今までの平凡な日常を脱却できるような気がしていた。
それもニコは感じていた。何か普通な事が嫌。普通じゃなければなんでもいいという発想にさえなった。
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