生きたのは知らない

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由美は松野をじっくり見つめた。 「緑川さん?」 「ねぇ義人くん、これ見て」 由美が松野を指差す。 「この服ですか?」 「うん。この服、最近の物だよね。ほら、このブランドは新規参入してきた会社のやつ」 服に書いてあるマークは確かに最近の会社のものだった。 「となると・・・松野さんが幽霊になったのは1~2年以内・・・」 「そうゆうこと」 由美は立ち上がって言った。 「松野さん、他に何か覚えてませんか?」 「すいません・・・生きていた頃のことは何も・・・」 松野は申し訳なさそうに謝る。 「別に生きていた頃のことでなくて構いません。えーと・・・自分が幽霊だと気づいた場所とか」 「あ、それなら覚えてます」
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