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アイツは突然俺の前に現れた。
自転車に乗ってにっこり何時もの笑顔だ。
「華燐ちゃーん一緒に学校行こうとよ」
げっ…俺は避けるように学生鞄を抱えて身構えた。
俺の名前は…有栖川華燐(ありすがわかりん)
女みたいな名前に毎日がウンザリするが…後から自転車で追い掛けて来たのが、幼なじみの三ノ宮春樹(さんのみやはるき)
…この辺りの地主の息子(!?)だ。
普通地主の息子なら、リムジンとかで送り迎えだが、僕が車苦手だと知ると、アイツは最新式のマウンテンバイクを乗り始め僕の徒歩通学と並んで志願した。
中学で自転車通学が許されてるのは、距離がある家のボンボンくらいだ。
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