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「‥轍先生?」
急に肩を捕まれ‥
声を掛けられて、びくりと震える。
「こんな所で、何をしてるんですか?」
ゆっくりと、振り返ると‥
心配して覗き込む生徒の顔があった。
「‥や、山本君?‥なんだぁ。」
「なんだぁ。って、なんですか?」
‥腕を前で組んで、ため息をこぼす彼は‥
僕が部活動で顧問をしている、テニス部のエースだ。
「だって、こんな所で声をかけるから‥
てっきり、お化けかと‥。」
「‥お化け‥って先生、いくつですか?」
「大人だって、怖いのは、怖いんだよ?」
ぷっくり膨れた僕に、少し笑って‥
山本君は、建物を見上げた。
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