†川崎君いますか?†

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‥廃墟と化したこの建物は、かなり有名な心霊スポットになっていた。 歩いている廊下の窓は、割れていて‥ 隙間から入ってくる風で、ズタズタに破れているワインレッドのカーテンがゆっくりと揺れていた。 「うぅぅぅ、わー。本当になんか出そう(泣)。」 カーテンの破れた隙間から覗く、外は、すっかり暗くなっていた‥ 僕は、ホラーはあまり得意ではない。 「うぅぅぅ、川崎君ー。川崎君?殴っても良いからーっ。早く出て来てよ?」 「‥殴っても良いって、何?お前…ドM?」 物陰から聞こえてきた声に、僕は、震える両膝を抱えてしゃがみ込んだ。 「悪霊退散、悪霊退散、悪霊退散。」 「悪霊退散って…。オイ、お前、よく見ろ?俺が悪霊に見えるか?」       
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