†売られたケンカは、買ってやる。†

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†哉兎side† …帰りに下駄箱に入っていた手紙には、こんな事が書いてあった。 “カナト君へ 高校入学初日にして、同高の三年の先輩方を黙らせたんだって?すごーいね。 この間の町でのケンカもね。格好良かったよ? …顔も良いしね。僕ね…、君みたいに…子… … … … …大っ…キライ。 悔しかったら、白徠君なしでも君が強いって事証明してよ? 町外れの洋館で待ってる。勿論一人で来てよね?” …ふざけてる。 けど、この洋館に来たのは… 俺が短気な事と… 母子家庭だった俺は、馬鹿にされる事も多く… …今日の今日まで、例外などなく… 売られたケンカは、全て… 買ってきたからだ。 「つーか。誰もいねぇじゃん。」 …口だけ?ってか、最初っから… イタズラだったのか? 俺は、鞄から棒付きキャンディを取り出すと… 口にほうばった。 (あ~…今頃、夕飯だったのに。) 「馬鹿らし…帰るか…。」 俺は踵返すと… 元来た所を戻り始めた。 …。 …。 (…おかしい。) 「何で、出口につかねぇんだよ!!!!?」 俺は、怒りに任せて口に含んでいた飴を地面に叩きつけると… 左足で踏み潰した。 「…ったく、今何時だよ?」 ケータイを開くと… 時刻は20時53分。 …おっと、着信が入っていた。
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