†売られたケンカは、買ってやる。†

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「…お前、腹に何か入れとかないと…機嫌悪くなるだろ。」 「悪ぃ。マジサンキュー。…丁度、腹減ってた所。」 俺は早速、アンパンの袋を破ると… 口に放り込んだ。 「…カナ? …帰ったら、郵便受けにコレが入ってたんだけど…。」 放り投げてきた、丸まった手紙を伸ばすと… ザッと、目を通した。 「え…?お友達の黒田君預かってま…す?…って…何だよ、コレ?」 「…イタズラだと思って… その手紙、丸めた所で… お前のお袋さん来たんだよ。」 「…あー、買い物の約束してたんだよな。…怒ってるかな?」 「…心配してた。」 「…そっか。」 母さんが心配症なのは… 俺が、一人っ子な事もあるが… 小さい頃から、母子家庭で馬鹿にされたり… その事で… ケンカしてケガして帰ったり… 心配させて、ばかりいたからだ…。 …白徠は、決して… 俺を馬鹿にしたり…同情するような事は、なかった。 ある程度は、ほっといてくれて… …必要な時に手を差し伸べてくれた。 たとえば、この菓子パンとか…。 コーヒー牛乳とか…。 …時々、思う。 俺の様な面倒なヤツの世話を焼いてて… 疲れないんだろうか? …コイツ。 俺は… この16年間、まともな人間関係を… 築いてこなかったから… 人間同士の付き合い方が、イマイチ分かっていない。 …一々、確認するのも… 向こうにとって… 負担になっては、いないだろうか? …時々、考え過ぎてしまう。
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