セヴンライヴズ

多岐川醒夜

深夜０時。

慣れた手つきで彼はパソコンのマウスを操作し、公開設定ボタンにポインタを合わせる。

カチリと鳴るクリック音と、タバコに火をつけるライターの音が静まり返る室内で重なり合う。

92ページまで公開。
閲覧数、1,028,054。

毎日０時に小説を更新すると同時に、１分後には閲覧数が跳ね上がる。
だが彼はそんなものに興味はなかった。

いつから『閲覧数』というものに興味がなくなったのか。
彼自身、今となっては思い出せない。