rain.

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昨夜から降り続いていた雨は上がっていた。 だけど屋上にはところどころ水たまりが出来ていて、コンクリートは雨で灰色に染まっている。 まぁ学校にいる生徒全員、立ち入り禁止なので水たまりがどうのこうの、関係ないのだろうけど。 逆にルールを守らない一部の生徒には影響があるってことで。 「…どうしよう」 ちなみに僕は授業をサボっているという状況にも立たされている。 教室に戻る気なんてあるわけもない。 「…次の休み時間まで時間潰すか」 僕は小さく溜め息をつき、水たまりを避けながら、貯水タンクの陰までゆっくり向かった。 貯水タンクは屋上で一番端にあって、サボリ魔の僕には特等席みたいになってる。 簡単に結論を言うと、特等席はびしょびしょに濡れていた。 「…なんだよ」 ハンカチを持っていたのでそれで拭いたけど、焼け石に水なので、あきらめてどこか別のところに座ることにした。 あまり濡れていないであろう貯水タンクの陰に周り、腰をかける。 そこから見えた空とコンクリートは同じ色で、どこか寂しい気持ちになった。 「はぁ…」 また意味もなく溜め息がでる。 「知ってた?溜め息をつくと幸せが逃げちゃうんだよ」 人の声、それも少女の声が貯水タンクの上、聞こえた。 「だ、だれ?」 正直、誰もいないと思っていたので動揺した。 「私?…サボリかな」 ここにいると言うことは必然的にそうだと思うんだけど。 僕は貯水タンクの上、はしごを使うしか登る方法がないであろう場所を見上げた。 そこには一人の少女が寂しそうに笑っていた。 「私雨って、あんまり好きじゃない」 その少女が口を開く。 「…梅雨だから仕方ないんじゃないか?」 「それもそうね、雨が降るのは当たり前だよね」 少女は空を見て、そう言った。 「サボリの私が言うのもなんだけどさ、君サボリはよくないよ」 「まぁ、サボリたくてサボってるわけじゃあないんだ」 僕にだって人並みに考えや悩みだってある。 「友達とかいないの?」 「な、なんでそんな話になるんだ?」 当てられそうで焦った。 僕の悩みは知り合いは出来るけどあまり友達がすくないってことで。 「隠さなくていーよ。なら私が友達になってあげるよ」 「はぁ?」 急に少女が変なことを言うので、声が裏返った。 「だから私が友達になってあげるって」
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