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「まさか笹丘さんがねぇ〓」
まりあは呑気に大口でチョコレートクリームドーナツにかじりついて、頬杖をつきながらモゴモゴと口を動かした。
「昨日はまりあが休んだから、私余計に不安だったんだよ」
大きめのマグカップにたっぷりのミルクと、角砂糖を2つ放りこんで、私は口をとがらせた。
「ごめん、ごめん!まさか一昨日食べたシュークリームがあたるとは思わなくて」
まりあは左手でお腹を撫でるそぶりをして、お腹壊したアピールをしたけれど、右手はすでに2つ目のドーナツを持ち上げている。
「まりあのお腹は鋼のように丈夫なものだと思ってた。」
ナッツの入ったマフィンの紙をビリビリはがして、ちぎったマフィンを口へ運ぶ。
私とまりあは『sweet*time』の常連だ。
甘くて可愛いお菓子がガラス越しに迎えてくれる。店内はアンティーク調の造りになっていて、柔らかで伸びやかなクラシックが流れている。
ことあるごとに、2人でここへ来ては、美味しいスイーツとガールズトークを楽しむのだ。
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