1人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもさぁ、笹丘さんが愛梨を好きになのはなんとなく分かるなぁ」
「何でよ」
「愛梨可愛いもん!かなりの変わり者だけれどね?よく言えばミステリアスな感じ?」
「もう!からかわないで!!」
まりあはへらへらと笑いながら、ホイップクリームが溶けかかってるココアのマグカップを揺らした。
「残念なことに愛梨は『ブサ専』なのにね、何も知らない笹丘さんはお気の毒」
「ブサ専じゃないよ!ただ私は」
「『イケメン恐怖症』でしょ?もうその話は耳たこです」
まりあはズズーッとココアを啜って、ため息をついた。
「愛梨、いい加減忘れなきゃ。中学の時からずーっとそう!世の中のイケメン全員悪者だと思ってるでしょ?」
まりあにずばり図星をつかれて、だんまりになってしまう。
そう、私がイケメン恐怖症になってしまったのは中学時代に遡る。
もともと人見知りだった私はクラスメートと打ち解けられず、休み時間になると図書室で一人本を読んで過ごした。
そんなある日声をかけてくれたのが、私の初恋の人であり、トラウマの原因となった影嶋春斗(かげしまはると)くんだ。
最初のコメントを投稿しよう!