3人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「……それで、こんなに遅くなられてしまったのですね?」
帰宅途中、自動車の車内で運転している黒い燕尾服を着た白髪(しらが)が言った。
本人は銀髪だと言っているが、僕にはどちらでも構わない。
正直、本当にどうでもいい。
この白髪、狗飼 満月(いぬかい みづき)は、十七夜家の使用人で僕の世話係りでもある。
意外にも若い男で、見た目もマダム受けしそうな優男だ。
正確な年齢は知らないが、おそらく22、3歳といった所だ。
最初のコメントを投稿しよう!