第二章 主人と従者は喧嘩する程仲が良い

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「……それで、こんなに遅くなられてしまったのですね?」 帰宅途中、自動車の車内で運転している黒い燕尾服を着た白髪(しらが)が言った。 本人は銀髪だと言っているが、僕にはどちらでも構わない。 正直、本当にどうでもいい。 この白髪、狗飼 満月(いぬかい みづき)は、十七夜家の使用人で僕の世話係りでもある。 意外にも若い男で、見た目もマダム受けしそうな優男だ。 正確な年齢は知らないが、おそらく22、3歳といった所だ。
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