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平助もしおんもきょとんとしている。
平助は何故しおんが自分の着物をつかんでいるか分からなかったし、しおんも何故平助が来ようとしないのかが不思議なのか何度もつんつんと引っ張っている。
「・・・え?僕?」
焦った平助は周りを見渡すが、皆行って来いと言わんばかりの視線におちこんだ。
「だって、着替えたり
治療したりするんでしょ?僕男だしっ」
「へーすけ」
「ねぇしおんちゃん。僕ここでまってるか「へーすけ」わかったよ・・・」
駄々っ子のようになんども引っ張るしおんに負け、しぶしぶお菊としおんについて部屋を出て行った。
「平助、子供の相手したことあまりないですからねぇ。」
と山南がつぶやけば、総司も少し頬を膨らませて、
「しおんちゃんのお気に入りは平助ですか。僕も遊びたかったのになぁ」
とつぶやいた。総司は子供好きで、よく非番の日には神社で子供たちと遊んでいる。
「近藤さん。これからあのガキどうするつもりなんだ?怪我の治療やら着物やら面倒見て。」
土方は、なんどもこれまで口出ししそうになっていたが、そのたびに一にお茶を勧められたため口に出せなかった。(土方はそれが一の策略だったことに気がついていない。)
すると、他の部屋から大きな泣き声が聞こえてきて、平助が大声で総司を呼んでいたので、総司は「どうしたんでしょうか」と部屋を出て行った。
しばらくすると泣き声は止み、お菊だけが帰ってきた。
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