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「こら、仮にも病人も目の前で騒いではいけないよ」
と局長である近藤勇につれられてやってきた、副長の山南敬助が少し眉根をよせて怒る。
同じく副長の土方歳三が鬼の副長と称されているのに対し仏の副長と呼ばれるほど穏やかで静かなのだが、実は怒らせて一番怖いのは山南さんだったりする。
「なんだ、まだ喧嘩していたのか。」
近藤がしょうがないなぁと言わんばかりに困ったように笑うと、総司がこれ見よがしに近藤に泣きついた(言葉だけ)。
「そうなんです。近藤さん。土方さんも一君も、僕の意見を全否定するんです。僕はただ、何も分からないうちから決め付けるのはよくないって言ってるだけなのに。」
そして怒られた子供みたいな顔をする。
すると、総司を弟や息子のように育ててきた近藤は総司の味方になった。
「だめじゃないか、歳も斉藤君も。あらゆる可能性を考えられる広い心と精神が必要だといつも言っているのに。」
すると土方が苦虫を噛み潰したような顔をした。
「だから、近藤さんは総司に甘ぇんだよ!!あらゆる可能性を考えられる頭と心が無いのは総司の方だろうがっ!!」
またぎゃいぎゃい騒ぎはじめ、土方と総司以外は皆大きくため息をついた。
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