1、舞い落ちる花びら

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「どうしたんですか?しおんさん」 山南が聞くと、 「死ねと言われたけど、死に方がわからない。」 と驚くことを言った。 みんながいっせいに土方の方をみる。 「俺じゃねぇよっ!!言ってねぇだろうが!!むしろ死んでないって言ったのはこいつだろうが。」 「・・・誰に死ねといわれたんだ?」 一が土方にもう一杯茶を淹れながら聞いた。 「いつも痛いことする人。いつもお米と牛乳くれる人。いつも怖い人。」 と彼女がつぶやいて、また空気がはりつめた。 腕組みをしてしおんのゆっくりとした言葉を聴いていた近藤は、立ち上がり障子を開けると女中を呼ぶ。 「あぁ。お菊さん。悪いがあの女の子の怪我の治療をしてくれないかな。ついでに服も着物を着させてやってほしいんだが。」 「あらまぁ。可愛い女の子じゃないの。こんな男しかいない部屋じゃなくってこっちにいらっしゃい。」 女中のお菊がにこやかに笑っておいでおいですると、しおんは立ち上がりお菊のほうに向かおうとした。が、前に進めなくなった。 そのわけは、しおんが平助の着流しの袖をつかんでいたからである。
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