11人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「・・・安心して心を読んだ訳じゃないから」
「(あれ?そう思ってる事すら見透かされている?)」
貴己は諦めたかのように腹をさする
「差々虎に蹴られた腹が痛むんだ(本当に情けないな、俺)」
「・・・差々虎の能力のせいよ」
「能力?あのビリビリした雷の事ですか?」
貴己はいつの間にか紅葉に対して敬語になっていた。
命の恩人だからという感謝の意からもあるが同時にあの重々しい差々虎の一撃を止めた本人だからという恐怖からもある。
「なんであの差々虎って人とこの痛みに関係あるんですか?」
「・・・・優雅岑君が差々虎に蹴られた時、差々虎は微弱ながら足に雷を纏っていたの」
貴己は差々虎がとった攻撃の事より秋村が自分の名前を呼んだ事に感激していた。
「雷?あの手が光ってたのと同じ原理ですか?(名前を覚えてもらった!!しかもこんな美人に!!)」
もはや痛みとは別の涙が込み上げていた。
「ううん、そんなに大きくは無いけど相手にバレない程度の力は出してた」
「そうなんですか(それでこの有り様か・・・)」
最初のコメントを投稿しよう!