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第2話「入学組」
沈黙を切ったのは龍土だった。
「学年主席のエアロがここで何をしている」
「あなたこそここで何をしようとしたの?」
「愚問だな、今日は初日だそ?ならば何をしようとしているかは貴様がよく知っている筈だ」
「・・・・・・・」
紅葉は龍土を殺意を込めて睨んだ。
先ほどまでの綺麗な彼女の姿はそこにはなかった。
「それにここは男子寮付近だ、本来ならば貴様のような女は近付かない場所であろう?」
見下すように言った。
「秋村さん、何故ここに?」
貴己は言った。
貴己の意識は先ほどから徐々に回復してきていた。
「彼は初日になるとこの学園の事を何も知らない生徒“入学組”を襲ってライバルを減らそうとするのよ」
紅葉の話し方はまるで一度経験したかのような語り口だ。
「中等部の時もそうだった・・・」
「中等部・・・・」
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