拾弐

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天地がひっくり返っても可笑しくないような、既にひっくり返っているんじゃないかと錯覚をおこすようなこの待遇の良さに、血縁者がいる事がわかるとこうも違うのかと俺は一人納得し、他の奴らは驚きのあまり開いた口が閉まらないといった状態が終始続いていた。 「おい、何ほけた顔してんだよ。早く荷解きするぞ?」 「そっそうだな。取り敢えず道場に荷物をまとめよう。部屋割りをしないとな。」 「この家の見取り図ならもう貰ってある。ほらよ」 「えっ?」 「この組織の頭はお前らだろうが。」 「しかし白眞君、」 「俺らの目的は水戸との接触だったんだから、もうすでに十分達成しているんだ。それにこの組織の中ではあんたらの下についてんだから気にするな。」 「そうかい?」 「ああ。こんだけ部屋数があるんだ。お前らの動かしやすいような部屋割りにしろよ。」
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