全ての始まりは唐突に

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……私が横を見た時、既にバンパーがありました。どう考えても直撃は免れない程の至近距離に。 ……そして、友人と二人でトラックに跳ねられました。 速度が余り出ていなかったのか、私達の身体が引っ掛かったのかはわかりませんが、相当引き摺られました。 意識はあり、路面は雪、子供ながらに必死に耐えました。足はバタつき、バンパーにしがみつき、必死に身体を支えようとしました。 ……今でも私の掌には、バンパーの錆か何かの破片が入っているほどに、必死にしがみつき、叩いていました。 ……ドライバーがようやく気付き、急ブレーキをかけたんです。 友人は、身体半分が路面に当たり、寝そべる形でバンパーにしがみついていたから、路面を滑るだけですみました。 ……私はしっかり立った状態でバンパーにしがみついていました。その為、意図も容易く宙に舞いました。 どれ程の間、飛んでいたかはわかりません。ですが、私には非常に長く感じていたのを覚えています。……そして、後頭部から雪の降り積もる路面に落下。 そこから私の意識は飛びました。何も思い出せないんです。……ですが。 ……気がついたら、私は自分の部屋のベッドで寝ていました。 正直、夢を見たとも思いました。……しかし、それは現実だったのです。私の右手には、しっかりと包帯が巻かれていました。   
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