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試合はあっけないものだった。
シャンドルが防戦一方で反撃することなく審判として立った教師の判断により負け。
けど俺の考えは確信へと変わった。
「あんたの考えを理解できたわ」
ミリスはシャンドルの成績表を見ながらそうつぶやく。
「試合を見てまさかと思いましたけれど……」
「……石ころ」
「そうやな、歴代最弱の生徒やな」
シャンドルの成績表には……
事故により魔力の喪失と書かれていた。
「剣術のセンスはよかったんやけどな……」
そう魔術を使えないといくら剣術が強くても勝利することはできない。
「ダイヤの原石……ですか」
「削り磨き上げることのできない原石を発見しちまったな」
そういいながら俺たちはシャンドルのもとへ行くことなく帰路に着いた。
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