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昼時には賑わう屋上も放課後となった今は誰もいない。
ちょうどいいや。
1人でゆっくり考えることができる。
「はぁ……」
部隊にか……。
先輩は僕のことを落ちこぼれと呼んだ。
なのに僕のことをスカウトしてきた。
何を考えているんだ?
落ちこぼれを仲間にして何の得がある?
それに先生が言ってた迷惑をかけないようにするのも迷惑。
どういう意味なんだろう?
「はぁ……」
ため息を吐くと同時に風が吹き体を包み込んだ。
風を全身に受けるとやっぱり気持ちいい。
この瞬間だけは嫌なことを忘れられる。
「君は……風に愛されているのですね?」
「えっ?」
突然の声に振り返る。
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