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【空】という名前は 祖母が付けてくれた名だ
祖母は白内障という病気だった
目が見えなくなる病気だった
僕が小さい時 祖母はよく昔話をしてくれた
空 があったことや
太陽 が眩しかったこと
地球には 四季 があって雪が、紅葉がとてもキレイだったこと
どれも僕の心に残る話だった
今の技術なら祖母の目は簡単に治せるのに、と祖母に言うと
「手術してまで見る物が今の地球にはあるかぃ‥‥?」
そう言って 微笑んだ
その通りだと思った
空は灰色に覆われ
太陽光は温かみの無い人工的な光に変えられ
気温操作で地球全体が一定に保たれている
こんな世界 祖母が見たい世界ではないだろう
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