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カウンセリング室
葵がカウンセリング室に着くと、カウンセリング室には予約が入っている事を告げるカードがぶら下がって居た。
葵はゆっくり扉を開ける。
「こんにちは」
か細い声でそう発する。
「いらっしゃい。待ってたわ」
葵自身が聞き取れるかどうかの声であったのだが、梨恵はそんな葵の声をしっかり受け取って居た。
彼女の笑顔はとても柔らかく、葵の不安や恐怖を忘れさせるには十分であるようだった。
当然のようにカウンセリング室は居心地が良く、葵の不安や恐怖も取り去ってくれるだろう。
そんな考えも浮かんで来た。
しかし、1週間経っても死への恐怖は薄れず、むしろ濃くなっていった。
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